新しい国立公文書館の機能や施設のあり方を検討する政府の有識者会議の作業部会は18日、整備計画の原案をまとめた。所蔵する日本国憲法などの原本を新たに展示するほか、現在の数倍の規模を生かし、閲覧室や書庫を拡充する。
作業部会は、展示や学習などの機能を充実させることを提唱。原案では、日本国憲法や昭和天皇が読み上げた「終戦の詔書」など重要な公文書の原本の展示のほか、修学旅行生などを呼び込むため江戸時代以前の古書などを物語性をもって示すよう求めた。利用者を増やすため、閲覧室を現在の数倍に広げ、資料のデジタル化も進める。
公文書の保存・整理の専門家の増員や、公的資格の新設も求めていく。
東京都千代田区・北の丸公園にある現在の公文書館本館の延べ床面積は1万2千平方メートルで、2019年度にも収容能力が限界になるため政府が建て替えを検討。衆院議院運営委員会の小委員会は昨年5月、有識者会議が求めた4万~5万平方メートルを確保できる場所として国会議事堂近くの憲政記念館の敷地を選んだ。(寺本大蔵)