児童虐待にきめ細かく対応できるようにする
急増する児童虐待への対応を強化するため、厚生労働省は保護者に対する指導に裁判所も関わる仕組みを新設する方針を固めた。児童相談所(児相)による指導を勧告し、保護者が従わなければ強制的に子どもを引き離すことで指導に実効性を持たせる。20日召集の通常国会に児童福祉法などの改正案を提出し、2018年の導入をめざす。
連載「児相の現場から」
特集「小さないのち」
虐待によって生命の危険があるといった恐れがあれば、児相は子どもを一時保護する。自宅で育児放棄している場合なども含め、保護者の同意なしに子どもを引き離して児童養護施設などに入所させる必要があれば、児相は家庭裁判所(家裁)に申し立てる。
今回の法改正では、家裁への申し立て後、緊急に引き離す必要はないが、家庭環境の改善が必要な場合の対応を強化。家裁が引き離しの是非を決める前に、一定期間、児相に指導継続を求める仕組みを新設する。児相は子どもを一時保護するといった役割もあり、児相主体で指導を継続しても保護者が反発するケースもあるためだ。
新しい仕組みでは、家裁が児相を管轄する都道府県に保護者の指導を勧告。児相からの経過報告を受け、保護者が指導に従わなければ子どもを引き離す判断材料にする。命に関わるほどではないが、暴力や育児放棄が続くといったケースが対象として想定される。
強制的に子どもを施設入所させ…