原田親仁・日ロ関係担当大使
政府が、北方領土問題を含むロシアとの平和条約締結交渉を担う外務省の布陣を刷新している。原田親仁(ちかひと)・日ロ関係担当大使(65)を近く退任させるなど、ロシア通の外交官から条約交渉の経験が豊富な人材を充てることにした。
特集:北方領土問題
原田氏は5年近く駐ロシア大使を務めるなどロシア担当の経験が長く、昨年1月からロシアのモルグロフ外務次官との平和条約締結交渉を担当してきた。
日ロ両政府は12月の山口県での日ロ首脳会談で、北方領土での「共同経済活動」の実現に向けた協議入りで合意。首相官邸の意向で、今後の事務レベルの交渉は国際法に詳しく、条約交渉の経験が豊富な秋葉剛男外務審議官が協議の窓口を引き継ぐ方向になった。
このほか外務省では今月下旬の人事で、ロシアを担当する欧州局長やロシア課長も、条約交渉の経験がある人材に替わった。