首都圏や東海、九州地方を中心に、インフルエンザが猛威をふるっている。厚生労働省は27日、直近1週間(16~22日)の推計患者数が約161万人に上ったと発表した。前週の約99万人から急増した。受験シーズンが本格化する中、専門家は手洗いやマスク着用などを呼びかけている。
厚労省や国立感染症研究所によると、直近1週間の全国約5千カ所の定点医療機関からの患者報告数は、1カ所あたり28・66人で、「警報レベル」とされる30人に迫っている。
都道府県別では、宮崎(42・53人)、愛知(42・46人)、埼玉(38・51人)、千葉(37・90人)、大分(35・60人)、福井(34・94人)、福岡(34・29人)、岡山(34・18人)、山梨(34・00人)、広島(33・90人)、神奈川(33・64人)、静岡(33・20人)、佐賀(32・10人)、長野(32・02人)、三重(31・86人)、山口(30・75人)など、30人を超えたのは17県に上る。東京は28・58人だが、患者が急増しており、都が26日、今冬初めて流行警報を出した。
全国的に若年層を中心に感染が広がっており、保育所や幼稚園、小中高校などで休校・休園が46施設、学年閉鎖は761施設であった。学級閉鎖は前週の約17倍の2958施設。
感染研のまとめでは、今季に全国で検出されたウイルスはA香港型が約9割を占めた。A香港型は高齢者が重症化しやすいとされ、入院報告があった1219人のうち約6割が70歳以上だった。感染研は集団感染につながる恐れがあるとして、感染した人は高齢者施設などへ出入りするのを控えるよう呼びかけている。(小川裕介)