スズキの新型ワゴンR=1日、青山直篤撮影
スズキは1日、主力の軽自動車「ワゴンR」を約4年半ぶりに全面改良して発売した。衝突回避など安全性能を充実させ、昨年まで2年連続で前年割れした軽の販売で巻き返しを図る。
6代目となる新型車は、減速時のエネルギーで発電し、モーターでエンジンを補助する簡易ハイブリッド車のモデルもそろえ、燃費は同クラスの車種で最高レベルの燃料1リットルあたり33・4キロに向上させた。
高齢者の操作ミスによる軽の事故が続いていることを踏まえ、安全性能も強化した。車や歩行者に衝突しそうになった場合に強い自動ブレーキをかけたり、駐車場で誤ってアクセルを踏み込むとエンジン出力を約5秒抑えたりする機能を、オプション装備で搭載できるようにした(一部グレードは標準装備)。
価格は消費税込み107万8920円から。個性的なデザインを強調した「ワゴンRスティングレー」は129万3840円から。
ワゴンRは1993年の発売以来、累計約440万台を売り、昨年12月時点の保有台数は軽でトップの約280万台にのぼる。ただ、ダイハツ工業の「ムーヴ」などライバルの軽ワゴンに押され、16年の販売は軽で9位まで落ち込んでいた。鈴木俊宏社長は「(消費者のニーズは)燃費より安全に移りつつある」と話した。(青山直篤)