黒崎愛海さん=仏ブザンソン市のツイッターから
筑波大からフランス東部ブザンソンに留学中の黒崎愛海(なるみ)さん(21)が行方不明になった事件で、チリ最高裁は7日、仏捜査当局が身柄拘束を求めていたチリ人のニコラス・セペダ・コントレラス容疑者(26)に対し、裁判所への出頭を命じた。拘束や尋問が目的ではなく、仏当局からの要請について容疑者本人に伝えるためとしている。
チリ司法当局によると、最高裁は容疑者に対し、14日午前9時に出頭するよう命令。身柄拘束については最高裁が3日、「証拠不十分」として仏側の要請を退ける決定を出しており、次の要請がない限り、チリ側が拘束に向けた手続きをすることはないという。
仏当局の代理を務めるチリ検察は、身柄拘束を認めなかった決定を不服として異議を申し立てたが、チリ最高裁は7日、この申し立てについても退けた。
容疑者はかつて黒崎さんと交際していたが、昨年12月のチリ帰国後は足取りが分からなくなっている。今後、仏側から有力証拠が提出されれば、拘束が必要になる場合もあるとして、3日の最高裁決定は、容疑者のチリ国外への渡航を2カ月間にわたって禁じた。(サンパウロ=田村剛)