両親を殺害された経緯をNGOスタッフに語るジョスカ・アミトさん=パギリニヤ、三浦英之撮影
内戦状態が続く南スーダンから大量の難民が押し寄せている隣国のウガンダ北部で、戦闘で両親を失った紛争孤児の問題が深刻化している。子どもたちは心に深い傷を負っており、支援機関は早急なケアの必要性を訴えている。
「私の目の前でお父さんとお母さんが殺された」。ウガンダ北部のパギリニヤ難民居住区で、女子生徒ジョスカ・アミトさん(14)は涙をこぼした。昨年7月、銃を持った男4人が自宅に押し入り、両親を射殺。アミトさんは5~10歳の3人の弟妹を連れてウガンダに逃げてきた。「これから、どうやって生きていけばいいのかわからない」。女子生徒オレオ・ジョイスさん(16)も同月、両親ら家族11人を殺された。「紛争で私の人生がめちゃくちゃになっちゃった」
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ウガンダに逃げてきている南スーダン難民約67万人のうち、約6割が18歳未満の子どもたちだ。孤児の数は把握していないが、約2万2千人が身を寄せているパギリニヤ難民居住区では「両親のいない子どもが数千人規模でいる」(UNHCR担当者)。
武装集団に誘拐されて、強制労働をさせられていた孤児もおり、国際NGOスタッフは「子どもたちは精神的に深く傷ついており、深刻な状態。すぐにサポートが必要だが、数が多すぎてケアが行き届かない」と訴えている。(パギリニヤ=三浦英之)