今年1月、打ち上げに失敗した衛星用として世界最小クラスのロケット「SS520」4号機について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は13日、機体の振動などで電線がショートして電源異常が発生し、地上へのデータ送信ができなくなったことが失敗の原因となった可能性が高い、と発表した。
JAXA小型ロケット、打ち上げ失敗 原因は今後調査
JAXAによると、ロケット内の電気ケーブルが振動や加速で機体本体に接触し、カバーが破損。中にある電線と機体の金属が触れ、ショートして通信機器に電源供給ができなくなったとみられるという。軽量化などのため、配線周辺部や電線などの設計を変更したことが、カバーの破損につながったとしている。
ロケットは同月15日、小型衛星の安価な打ち上げ技術の実証を目的に、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた。だが直後から機体と通信できなくなり、予定していた第2段ロケットの点火を中止。海に落下していた。
機体は全長約9・5メートルで重量約2・6トン。打ち上げ費用も含め、開発費は約5億円とされる。(山崎啓介)