12日、米ロサンゼルスの第59回グラミー賞授賞式で歌う最優秀新人賞候補のアンダーソン・パークとヒップホップグループ「ア・トライブ・コールド・クエスト」=ロイター。ラッパーのバスタ・ライムスとともに、トランプ米大統領を批判するラップ曲を披露した。
米ロサンゼルスで12日に開かれた第59回グラミー賞授賞式のショーでは、移民や難民に厳しい姿勢を示すトランプ米政権への非難が相次いだ。痛烈な表現でトランプ氏を批判し、「抵抗しよう」と呼びかける歌手もいた。
最優秀新人賞候補のアンダーソン・パークは、ヒップホップグループ「ア・トライブ・コールド・クエスト」、ラッパーのバスタ・ライムスと舞台に登場。ライムスは、トランプ氏を「プレジデント・エージェント・オレンジ(枯れ葉剤大統領)」と、どぎつい表現で批判した。
トランプ氏の日焼けした肌がオレンジ色にみえることと、ベトナム戦争で米軍が使用した枯れ葉剤「エージェント・オレンジ」を重ね合わせたものだ。「多くの人々を苦しめる存在」という意味を込めたとみられる。「米国全体に悪を連鎖させてくれてありがとう」「失敗に終わったイスラム教徒禁止令をありがとう」などのことばもあった。
パークらは握りしめた拳を突き上げ、「抵抗しよう、抵抗しよう」と声を張り上げた。最後に、スカーフを頭にかぶった女性など様々な宗教や人種の人が舞台に上がる演出もあった。
最優秀ラテンポップアルバム賞を得たメキシコ系米国人の兄妹デュオ「ジェシー&ジョイ」は受賞スピーチで、「この賞を、ヒスパニック系と全てのマイノリティーのために捧げる」「私たちはあなた方と共にいる」と語った。
またプレゼンターとして登壇したジェニファー・ロペスはプエルトリコ系。「過去にこれほど私たちの声を聞いてもらう必要があったことはない」と語った。(ロサンゼルス=平山亜理)