米軍横田基地(東京都)に約3年前、飛翔(ひしょう)弾が撃ち込まれた事件で、周辺で見つかった発射台の基板が、革労協反主流派の男(65)=有印私文書偽造・同行使罪で起訴=から警視庁が押収した設計図の基板の構造と酷似していることが、捜査関係者への取材で分かった。
同派のアジトでは男の所有物から設計図が見つかったほか、黒色火薬を含むロケット花火の束や基板、横田基地の航空地図も押収されており、警視庁はこの男が横田基地へのゲリラ事件に関わったとして、銃刀法違反容疑で立件する方針。
捜査関係者によると、男は土木作業員の沼田豊綱被告=千葉市。今年1月24日、土木作業員の武藤金作被告(65)=埼玉県新座市=とともに偽名で勤務先と雇用契約を結んだとして逮捕され、今月14日までに起訴された。同庁公安部は、2人が革労協反主流派非公然組織の爆弾製造部門の幹部だったとみている。
ゲリラ事件は2013年11月に発生。横田基地に向けて時限式の飛翔弾が発射され、周辺から発射台などが見つかった。けが人はなかった。事件に関与した人物は特定されていない。
公安部によると、革労協は主な過激派の活動が沈静化した1980年代半ば以降もサミットや皇室行事などに反対し、米軍基地に金属弾を飛ばしたり警察施設に時限式の爆弾を仕掛けたりしている。