1970年代ごろにヒットした歌謡曲のドーナツ盤と石川秀男館長(右)、学芸員の広沢由佳さん=知多市緑町の市歴史民俗博物館
1970年代ごろにヒットした歌謡曲を、当時のドーナツ盤レコードで鑑賞してみませんか――。知多市緑町の市歴史民俗博物館は19日、「博物館でレコードを愉(たの)しむ会」を開く。山口百恵さん、キャンディーズ、チェリッシュ、石川ひとみさん……。昭和のスターたちの歌声をレコードジャケットの展示とともに再生する。
ドーナツ盤は1分間45回転で、両面に1曲ずつ録音されたシングルレコード。中心に大きな穴があり、ドーナツに例えてそう呼ばれた。CDもインターネットもなかった時代、歌謡曲や洋楽などの録音媒体として、広く普及していた。
企画したのは学芸員の広沢由佳さん(30)だ。収蔵庫に市民から寄贈されたまま眠っている約240枚のレコードがあるのを見て、「眠らせておくのではなく、何か活用する方法はないか」とアイデアを温めていたという。
企画の趣旨に石川秀男館長(59)もすぐに賛同した。子どものころから歌謡曲や洋楽が好きで、電車に乗ってレコード店に通った思い出がある。集めたドーナツ盤やLPレコードは、自宅の押し入れに段ボール箱に入れたまま保管してあった。その箱から主に70年代の約20枚のドーナツ盤を企画に提供。今回再生する予定のレコードの大半を占める。
「30年ぐらいしまい込んでいた。ジャケットがとても懐かしい」。特にチェリッシュの「なのにあなたは京都へゆくの」には思い入れがある。「ちょうど私が京都の大学に行くころで、自分自身に歌の内容が重なった」と振り返る。
広沢さんはCD世代だが、実家…