教育現場のICT(情報通信技術)化が進む中、小説や評論、写真、新聞記事などの著作物を学校が教材としてネット配信する際、作家ら著作権者の許諾を不要とする代わりに補償金を学校側が支払う。そんな新制度をつくる方針を文化庁が固めた。補償金の額は学生ら1人あたり数百円前後、総額数十億円規模と推定されている。
著作権法は、大学などの授業で教師が小説や評論、新聞記事などの著作物を紙で印刷して配る際は著作権者の許諾を不要としている。だが、eラーニングなどネット経由の授業や予習・復習のために著作物をネット配信する際は著作権者の許諾が必要だ。一方、教育現場ではネット経由で提供される動画で予習し、授業は討論中心とする「反転授業」などICTの活用が進む。
そこで文化庁は文化審議会著作権分科会の小委員会で教育での著作物利用の新ルールを検討。「教育には社会的意義がある」とネット配信でも、著作権を弱め、許諾を不要とする一方、元の著作物の市場に影響が出る恐れがあるため学校側が著作権者に補償金を支払う新制度を設ける方向となった。24日の小委でまとまる見通しだ。
文化庁は最速で今の通常国会へ…