高齢者の交通安全教室で、免許証の返納制度を紹介する警察官=昨年2月7日、大阪府東大阪市旭町、中島嘉克撮影
大阪府で昨年、運転免許証を返納した65歳以上の高齢者が、初の3万人台に達した。府警は今年4月、26人態勢の高齢運転者等対策係(仮称)を新設し、返納をさらに後押しする。
府内では2016年、高齢者3万2061人が運転免許証を返納した。返納率は3・43%で、府警によると、14年(2・47%)と15年(3・21%)は2年連続で全国最高。16年は未定という。府や府警でつくる「府交通対策協議会」は12年、返納を進めるため、商店街やベビー用品店、葬儀会社などに呼びかけ、返納した高齢者が割引を受けられるようにした。対象の店は昨年末時点で1750店に及んでいる。
今年3月12日に施行される改正道路交通法では、免許更新時などの検査で「認知症のおそれ」と判定された75歳以上の人は医師の診断が義務化され、認知症と診断されれば免許は停止か取り消しとなる。府警は改正に合わせ、対策係の新設を決めた。高齢者や家族の相談にのり、返納者への割引協力を拡充して返納をさらに促す。運転免許課は「運転に自信をなくした人のために、返納しやすい環境を整えたい」と話す。
返納制度は1998年に始まっ…