ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席夫妻主催の晩餐(ばんさん)会で、ベトナムの伝統楽器の演奏を披露するグエン・ディン・チュウ小中学校の生徒と小室哲哉さん(左)=1日午後8時20分、ハノイの国家主席府、代表撮影
1日夜にベトナム・ハノイで開かれたクアン国家主席の晩餐(ばんさん)会で、グエン・ディエン・チエウ盲学校の子どもたちと音楽プロデューサー・小室哲哉さんが一緒に演奏を披露した。
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歓迎の音色、両陛下に届け 杉良太郎さん支援の盲学校生
演奏したのは同校の生徒5人。小室さんのキーボードとともに、日本の童謡「赤とんぼ」やベトナムの楽曲を民族楽器で奏でた。天皇、皇后両陛下やベトナム側の要人、同校を長年支援してきた俳優・杉良太郎さんらが拍手を送った。
フルート担当のグエン・ドク・ティエンさん(17)は全盲だ。実家から遠い同校に通い始めてホームシックになったとき、親しい友人が隣でフルートを吹くのを聴いたのが音楽を始めたきっかけだった。「たくさんいるメンバーの中から選ばれ、両陛下の前で演奏できることが誇らしいです」。小室さんとは2月28日午後に初めて練習したが、「すぐにぴたっと合わせてくれて、本当にびっくり」と興奮していた。
同校の元教師で、音楽の支援をしているファム・ディン・タンさん(80)は、「目から情報を得られない生徒にとって、聴く力を鍛えるためにも音楽は重要。将来の就職に役立つ可能性もある。何よりも、みな本当に音楽を楽しんでいます」と話した。
晩餐会での演奏終了後、天皇陛下は子どもたちと握手し、「すばらしい音楽を聴かせてくれてありがとう」とねぎらった。皇后さまは「演奏は上手でした。これからもがんばってください」と声をかけていた。(ハノイ=鈴木暁子、島康彦)