1日、インドネシア・ジャカルタのハリム空港に到着し、笑顔を見せるサウジアラビアのサルマン国王(中央)=AFP時事。飛行機から降りるための特製のエスカレーターが設置された
サウジアラビアのサルマン国王(81)が1日、インドネシア訪問のためジャカルタに到着した。総勢1500人の巨大な訪問団は、12日まで滞在する予定。計り知れない経済効果に期待が集まっている。
約2億人と世界最多のイスラム教徒が暮らすインドネシアを、イスラム教の2大聖地メッカとメディナの「守護者」であるサウジ国王が訪れるのは、1970年以来。1日はジョコ大統領と首都近郊ボゴールの大統領宮殿で会談。4日からはバリ島で休暇を取る。
インドネシア外務省などによると、王子19人、閣僚7人、約90の企業幹部らが随行。高級リムジン2台や国王の飛行機の乗り降りに使う専用エスカレーターなど、460トン分の荷物を持ち込み、720台の高級車を400億ルピア(3億4千万円)で現地で借りた。ジャカルタからバリへの移動には飛行機9機を使う。
国王は250億ドル(2兆8千億円)相当の新規投資を約束するとされ、景気が伸び悩むインドネシアの期待感をかきたてており、ジョコ氏が自ら空港で国王を出迎えた。約9千人の警官を警備に投じ、宮殿内にある裸の男女像には覆いをかけ、国王一行の離着陸のためにバリ空港を一時閉鎖するなど、破格の待遇でもてなす方針だ。(ジャカルタ=古谷祐伸)