ダイハツ工業の軽自動車に搭載された、画像センサーによる衝突回避システムのイメージ(ダイハツ工業提供)
高齢者の運転による交通事故が後を絶たないことを受け、自動車メーカーが事故を防ぐための「誤発進防止」など車の機能強化に乗り出した。政府も新年度から、そうした車を「安全運転サポート車」として普及させたい考えだ。ただ、実際に事故を減らすには課題も少なくない。
28日、国土交通省での会合で、トヨタ自動車など大手8社の状況報告があった。2020年までにほぼすべての新車で、間違えてアクセルを踏んだ際に急発進しないようにする「加速抑制装置」や、前方などに車や歩行者を感知すると自動ブレーキがかかる安全機能を標準装備か、オプションで選べるようになる。
スズキが2月に発売した軽自動車「ワゴンR」の新型は、歩行者を検知できるブレーキや加速抑制装置など6種類の機能がセットで選べる。ダイハツ工業が昨年末に売り出した軽「タント」も同様の機能が目玉だ。同じトヨタ自動車グループのデンソーが開発した世界最小のステレオカメラを使っており、今後はより小型の軽にも搭載する。
ホンダも17年に全面改良する軽「N―BOX」から、軽以外の一部車種でしか選べなかった安全機能を搭載する。地方では、軽が高齢者を含めた住民の「足」として人気を集めており、「(消費者のニーズは)燃費より安全に移りつつある」(鈴木俊宏・スズキ社長)という。
ただ、最先端の安全機能を選ぶと、軽でも消費税込み百数十万円かかる。年金生活を送る高齢者世帯などでは、簡単に買い替えできない事情もある。このため、各社は、衝突したり、車線からはみ出したりする危険がある際に、警報を出す「後付け」の機器を売り出すことも検討している。
すでに、後付けの需要に着目し…