裁判所に入るドアン・ティ・フォン容疑者とみられる女性=1日午前9時36分、クアラルンプール近郊、乗京真知撮影
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件で、マレーシア検察は1日午前、実行犯とされる女2人を殺人罪で起訴した。クアラルンプール近郊の裁判所で検察側が起訴内容を読み上げた。2人は出廷したが罪状認否は見送られた。裁判では殺意の有無や、事件の首謀者とされる北朝鮮国籍の男らとの接点や指示内容などがどこまで明らかになるかが焦点だ。
起訴手続きに報道陣200人超 裁判所前で小競り合いも
特集:金正男氏殺害
ベトナム国籍のドアン・ティ・フォン容疑者(28)と、インドネシア国籍のシティ・アイシャ容疑者(25)。2人は2月13日、クアラルンプール国際空港で、正男氏の顔に素手で猛毒の神経剤「VX」が含まれた液体を塗りつけて殺害した疑いがある。
正男氏が所持していた旅券の名義は「キム・チョル」になっている。検察は身元確認が取れていないとして、起訴状で被害者を「キム・チョル」とした。
フォン容疑者は1日午前9時半ごろ、黄色いシャツに青のジーンズ姿で両脇を警官に固められながら裁判所に到着。約10分後には赤いシャツに青のジーンズをはいたシティ容疑者も裁判所内に入り、2人の姿を追いかける約200人の記者やカメラマンらで現場は一時騒然となった。
開廷すると、まずシティ容疑者…