万寿台の丘に建つ金日成主席(左)と金正日総書記の銅像には、結婚式に臨むカップルが「あいさつのため」続々と献花に来ていた。ガイドの案内で、記者団も見学した=2014年10月28日、平壌
北朝鮮は少なくともアフリカ15カ国に銅像などを輸出していた――。北朝鮮制裁の履行状況を調べる国連安全保障理事会の専門家パネルが最新の年次報告書で、銅像の輸出などの外貨稼ぎの実態を指摘していることが3日、わかった。
北朝鮮製の銅像、アフリカで外貨稼ぎ 安保理が取引禁止
関係者によると北朝鮮は銅像などの輸出で年間数千万ドル(数十億円)を稼いできた。北朝鮮は巨大な銅像を精巧につくる技術者を育成しており、朝日新聞が入手した未公表の報告書は、同国を代表する技術者が所属する「万寿台(マンスデ)創作社」による銅像などを調べた。
報告書は海外事業の具体例として、ナミビアのサム・ヌジョマ初代大統領の像やアンゴラの記念塔、ボツワナの「3人の族長の像」、コンゴ民主共和国(旧ザイール)のローラン・カビラ元大統領の像などを列挙している。またアンゴラでは2015年2月までに56以上のプロジェクトに参加。昨秋のアンゴラでの現地調査では、北朝鮮からの作業員が重機を使って墓の改装や維持をしているのを確認したという。