障害者の40代男性が自宅敷地のプレハブ内に設置された檻(おり)で生活させられていたことが発覚したとして、兵庫県三田(さんだ)市が1月、男性を保護し、福祉施設に入所させたことがわかった。男性に目立った健康被害は見られなかったが、市は虐待と判断。捜査関係者によると、男性には精神疾患があり、檻での生活は20年以上に及ぶという情報もある。県警は監禁の疑いで捜査している。
三田市によると、今年1月16日に福祉関係者から通報があり、担当職員らが同18日に訪ねると、プレハブ内に木製の檻があり、男性が入れられていた。檻は大人が横になれるほどのスペースで、南京錠をかけられるようになっていた。
プレハブ隣の母屋で暮らす男性の父親は市の調査に対し、男性が暴れるため、プレハブ内に檻を設置し、若いころから中に入れて生活させていた、と説明したという。プレハブにはエアコンがあり、檻にはシートが敷かれていた。父親は男性について食事は自宅で食べ、風呂にも入っていた、とも話しているという。
男性の健康状態に問題はなかったが、三田市は虐待と判断。男性を福祉施設に入所させた。県警に連絡したのは約1カ月後で、市の担当者は「長期的な対応が必要と考え、経過を観察していた」としている。男性の障害内容や家族構成については「プライバシーで公表できない」とした。
大阪府寝屋川市では昨年12月、統合失調症と診断された娘が自宅内のプレハブの小部屋に閉じ込められて衰弱死し、両親が監禁と保護責任者遺棄致死の罪で起訴される事件があった。