障害者スノーボードW杯バンクドスラロームで優勝した成田緑夢選手=13日、韓国
障害者スノーボードのワールドカップ(W杯)が13日、韓国・旌善(チョンソン)であり、成田緑夢(ぐりむ)選手(23)がバンクドスラロームで優勝した。成田選手は、スノーボードで2006年トリノ五輪に出場した童夢(どうむ)さんと今井メロさんの弟。練習中のけがで障害を負った。「けがをした人や障害者の希望になりたい」と、1年後の平昌パラリンピック出場を目指している。
「障害者の希望に」 スキーからスノボへ成田緑夢の挑戦
バンクドスラロームは、コース上に設けられたバンク(斜面)を滑り、3回の滑走でベストタイムを競う。バランスをとるために腕の位置を調整した2本目、ターンでスピードに乗りトップに躍り出た。今季W杯無敗のフィンランドの選手を0・29秒の差で破った。
幼いころから父親の指導を受け、きょうだいと五輪を目指していた。トランポリンやスキーで活躍していた13年春、トランポリンの練習中に着地に失敗。左ひざを骨折する大けがを負い、ひざから下の感覚を失った。
痛みを我慢してスポーツを再開すると、けがや障害を負った人たちから「勇気をもらった」とSNSでメッセージが届いた。初めてスポーツをする意味を考えるようになったという。スノーボードを始めたのは今季から。この日の試合後「挑戦してきた結果が実ったことはうれしい。でも、今日は運が良かっただけで、実力はまだまだ。来年に向けて、課題を改善していきたい」と話した。(旌善=斉藤寛子)