栃木県内で2015年、1型糖尿病を患っていた男児(当時7)にインスリンを投与させず死亡させたとして、殺人罪に問われた同県下野市の建設業、近藤弘治被告(62)の裁判員裁判の判決が24日、宇都宮地裁であった。佐藤基裁判長は懲役14年6カ月(求刑懲役15年)の判決を言い渡した。
被告は無罪を訴えていたが、判決は、定期的にインスリンを投与しなければ男児が死亡する危険性を認識していた、と被告の殺意を認定。動機について「権威や生活を守ることや、金銭を得ようとするもので、およそ理解しがたい身勝手さ」と指摘した。
判決によると、病院に通わずに難病を治せる「龍神(りゅうじん)」と称した被告は、インスリンを投与しなくても男児の治療ができるとして、両親に投与中止の指示に従うよう命じた。15年4月6日を最後に投与させず、同27日に男児を糖尿病で衰弱死させた。(山下裕志)