高校時代に同級生2人に硫酸タリウムを飲ませ、名古屋大生時代には女性を殺害するなどしたとして、殺人未遂や殺人など七つの罪に問われた被告の女(22)=事件当時未成年=側が5日、名古屋高裁の控訴審判決を不服として最高裁に上告した。
タリウム殺人事件控訴棄却 名古屋高裁、責任能力認める
先月23日の控訴審判決は、被告の完全責任能力を認めて無期懲役とした一審・名古屋地裁の判決を支持し、被告の控訴を棄却していた。
控訴審でも刑事責任能力の有無が争点になった。名古屋高裁は被告の犯行前後の行動などから、「完全責任能力を認めた一審判決の認定、判断に不合理な点はない」と判断。一審に続いて、障害は「軽度」とした検察側の精神科医による証言の信用性も認めた。
判決によると、被告は高校2年生だった2012年5~7月、中学時代の同級生女性(22)と高校の同級生男性(同)に硫酸タリウムを飲ませて殺害しようとし、名古屋大の1年生だった14年12月には、名古屋市の自宅アパートで女性(当時77)を殺害するなどしたとされる。