個人第25戦フライングヒルで4位に入った葛西紀明=EPA時事
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は25日、スロベニアのプラニツァで団体の最終第6戦フライングヒル(HS225メートル、K点200メートル)が行われ、小林陵侑(土屋ホーム)、竹内択(北野建設)、伊東大貴(雪印メグミルク)、葛西紀明(土屋ホーム)の順で臨んだ日本は1327・7点で6位にとどまった。ノルウェーが1551・6点で優勝した。
24日の個人第25戦は221メートル、235・5メートルを飛んだ葛西が合計453・3点の4位で、2戦連続の表彰台を惜しくも逃した。シュテファン・クラフト(オーストリア)が490・2点で優勝。
■エース葛西以外は振るわず
葛西だけが確かな手応えで試合を振り返れた。2回目に240メートルを飛び、目の肥えた欧州の大観衆の喝采を浴びた。「ちょっと悔しいなあ。250メートルを狙ったけど」。笑顔がのぞいた。
しかし、フライングが得意な44歳のエース以外の3人は220メートルにすら届かず6位。今季はこれまでも7位、8位、8位、5位、6位。W杯で一度も表彰台に上がれず、プレ五輪シーズンの団体戦は幕を閉じた。
銅メダルを手にしたソチ五輪から3年。この日飛んだ4人のうち3人は、そのときのメダリストだ。
葛西は踏み切りのテクニックをチーム共通の課題に挙げ、平昌(ピョンチャン)五輪に向けては「ジャンプは1年でガラッと変わる。誰の調子が良くなるかわからない。10代の子かもしれないし、(竹内)択や(伊東)大貴が伸びるかも」。締めの言葉も前向きだった。「僕らは悔しい思いをした分、強い気持ちが芽生えている」(稲垣康介)