パスを出す三重の万谷⑲
ハンドボールの日本リーグの4強が激突するプレーオフ(PO)第1日は25日、熊本市のアクアドームくまもとで女子の準決勝があり、3連覇を狙う北国銀行と、2005年以来の優勝を目指す広島メイプルレッズが26日の決勝に勝ち上がった。北国銀行は、PO初出場の三重バイオレットアイリスに快勝。広島メイプルレッズは、シーズン途中に加入した韓国代表選手が躍動し、昨年末の日本選手権を制した地元オムロンに競り勝った。
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PO初出場のクラブチーム三重は、前半24分まで3連覇を狙う北国銀行に6―6と互角の勝負。守り合いの前半を日本代表の原や池原がしぶとく得点を重ねて耐えた。しかし、主将の原は「みんな硬かった。普段はもっと笑顔で盛り上がる。目標だった舞台を楽しもう、と声をかけたけど自分も顔が引きつった」。
相手が攻撃の司令塔を入れ替えた後半は守備の足が止まり、開始5分で6失点。原は「企業チーム相手でも戦える手応えもあったけど、やっぱり差はあった」。
選手は三重・鈴鹿市からバスで12時間かけて熊本入り。遠征費のうち130万円をネットのクラウドファンディングで募った。櫛田監督は「プレーでお返ししたい、という気持ちが強すぎたかな」と、戦い抜いた選手たちを思いやった。