加齢臭の調査の様子(資生堂提供)
疲労回復や老化防止などの効果があるとして、サプリメントや化粧品などに含まれている成分「コエンザイムQ10」に、加齢臭を抑える効果があることを、資生堂が世界で初めて発見した。5日、発表した。
65~74歳の女性6人にコエンザイムQ10を毎日100ミリグラム摂取してもらい、加齢臭の原因物質で、肌から放出されるノネナールの濃度を4週間後に計測した。濃度は摂取前と比べて2~3割減少したという。コエンザイムは2種類に大別されるが、ともに効果が確認された。
コエンザイムは人間の細胞にあるミトコンドリアがエネルギーを作る際に使われる成分。加齢により減少することが知られていたが、加齢臭との関係性は明らかになっていなかった。
加齢臭は男女ともにある。個人差があるが40代から目立つケースが多い。においを抑える対策としては従来、皮脂や汗を洗い流したり制汗剤を使ったりが中心だったが、コエンザイムを摂取すれば体内から抑制ができることになる。
コエンザイムは、イワシや牛肉、ブロッコリーなどに含まれているが、通常の食事では一日5~10ミリグラムほどしか摂取できないため、サプリメントも多く発売されている。(野口陽)