ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問は6日、英BBCのインタビューで、ミャンマー西部ラカイン州での少数派イスラム教徒ロヒンギャの問題について、「民族浄化が起きているとは思わない」と述べ、特定の民族を狙った人権侵害行為を否定した。
ロヒンギャへの人権侵害、調査団派遣へ 国連人権理事会
スーチー氏は「実際に起きていることに対し、民族浄化という表現は強すぎる」とした上で「イスラム教徒がイスラム教徒を殺している例もある」と指摘、「問題なのは人々の分断で、我々はそれをなくそうとしている」と解決に取り組む姿勢を強調した。
国連などから、軍が村の焼き打ちなどに関与していると指摘されている点については「(軍に)認められているのは、レイプや略奪、拷問ではなく、憲法に書かれた軍事行為だ」として関与を認めなかった。
ロヒンギャの大半はミャンマー政府から国籍を与えられていない。国連によると、今年2月までの4カ月で約6万5千人が隣国バングラデシュに逃亡している。スーチー氏は「彼らが戻ってくるなら歓迎する」と述べた。(ヤンゴン=染田屋竜太)