シラカバをボディーに使ったエレキギターと試作した前川遥樹さん=京都市左京区、波多野陽撮影
国産のシラカバで作ったエレキギターが名器のような「メリハリのあるサウンド」を響かせることを、ギター好きの京都大大学院生らが発見し、10日に発表した。ギターの材料は希少で入手しづらく、安価な代替材となるか注目されている。
ギターの音色は、使われている木材が影響するとされる。だが、マホガニーやローズウッドなど定番の木材は近年、国際取引が制限されている。「もっと手に入りやすい材料はないか」。京都大大学院農学研究科修士課程の前川遥樹(はるき)さん(26)と、森林資源を研究する村田功二講師(48)が注目したのが、国内に豊富にあるシラカバ。世界の名ギタリストに愛用されたストラトキャスター型にも使われているメープルと音の伸びや響き方などの特性がそっくりなことが判明した。
6本のギターを所有し、ヘビーメタルを演奏する前川さんは、大阪市の工房で作ってもらったギターをさっそく試奏してみた。「本当に使えるか疑問だったが、期待以上に良い音が出た。メインのギターとして十分使える」と話す。
22日午後3時から大阪市中央区のジャズライブバー「コンテ・ローゼ」で、ジャズの分野で活躍するプロのギタリスト山口武さんが試奏する。予約すれば無料で聴くことができる。問い合わせは村田講師(075・753・6235)へ。(波多野陽)