11日、イタリア中部ルッカで開かれた主要7カ国(G7)の外相会合に参加する(左から)欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表、ドイツのガブリエル外相、ティラーソン米国務長官、カナダのフリーランド外相、イタリアのアルファーノ外相、フランスのエロー外相、英国のジョンソン外相、日本の岸田文雄外相=ロイター
イタリア中部ルッカで開かれていた主要7カ国(G7)の外相会合は11日、2日間の日程を終えて閉幕した。共同声明では、シリアのアサド政権軍に対する米国のミサイル攻撃を「致死的な化学兵器の拡散や使用を防止、抑止するための、注意深く計算され、対象が限定された対応だ」として認めた。その上で、アサド政権を支援するロシアが紛争終結にむけて影響力を行使するよう求めた。
シリア情勢
共同声明はロシアについて「重要な国際的プレーヤー」と言及、協力無しでは様々な課題を解決できないとした。シリア情勢について「ロシアが自らの影響力を用いる用意がある場合、ロシアとともに作業する用意がある」と呼びかけた。ティラーソン米国務長官は「ロシアは米国などと組むか、シリアやイランと組むか選ばなければならない」と二者択一を突きつけた。
強硬派の英国などは、シリア問題を巡ってロシアへの追加制裁を主張したが、議長国イタリアのアルファーノ外相は記者会見で、「共通の合意はない」と否定。和平に向けて、ロシアを巻き込んでいくことが重要だと指摘した。
また核実験や弾道ミサイル発射を繰り返し、軍事的挑発を続ける北朝鮮については、「最も強い表現で非難」するとし、自制を求めた。拉致問題の早期解決に向けた対処も求めた。(ルッカ=山尾有紀恵、笹川翔平)