コインパーキングの上部に新設される保育所のイメージ図=東急電鉄提供
タワーマンションの建設が相次ぐ武蔵小杉(川崎市中原区)に今夏、コインパーキングの上の空間を有効利用した認可保育所が誕生する。駐車場の上部を活用した「空中店舗」を手がける「フィル・カンパニー」(東京)と東急電鉄が設置。若いファミリーが増えている地域の保育ニーズに応えつつ、駐車場運営を続けたい土地所有者の希望もかなえる初の試みという。
東急電鉄によると、予定地は東急の武蔵小杉駅から徒歩3分。同社の子会社が運営する7台のコインパーキングの上に、2~4階の保育所(延べ床面積約540平方メートル)を設ける。定員は60人で、社会福祉法人が運営する。
同駅周辺は再開発で人口が増え続けており、保育所のニーズも高い。川崎市によると、4月に市内の認可保育所などに入ることを望みながら、1月下旬時点で決まらなかった「保留児童」は全市で3551人。区別では中原区が最多の987人だった。東急電鉄の担当者は「保育ニーズの高いところに設置しようと考えた」と説明する。
日本パーキングビジネス協会によると、コインパーキングは全国に6万5千カ所あるといい、東急線が走る川崎市には約1300カ所、横浜市には約3200カ所のパーキングが集まるという。沿線の価値向上を目指すとして、東急電鉄は今後もこうしたコインパーキングの上部を活用した保育所や物販店などを手がけたいとしている。(河井健)