世界歴代2位の好記録で優勝したメアリー・ケイタニー=AFP時事
(23日、ロンドン・マラソン)
ケイタニー、ロンドン3度目のV 世界歴代2位の好記録
大会前、ケニア勢に向けられた視線は冷ややかだった。リオデジャネイロ五輪女子マラソンの金メダリストで、昨年のこの大会の覇者、ジェミマ・スムゴング(ケニア)が今月、抜き打ち検査で禁止薬物の陽性反応が出た。
ケイタニーも大会前の記者会見で母国を取り巻く薬物疑惑について聞かれ、こう言った。「ずるをする人間と潔白な人間を一緒にしないでほしい。とてもショックを受けている」
この日のレースは序盤から後続集団をはるか後ろに追いやり、ペースメーカーとの二人三脚。30キロまで世界最高を上回るペースで走り、ペースメーカーがお役御免で本当の一人旅になってからも持ちこたえた。
ポーラ・ラドクリフ(英)が男子のペースメーカーの伴走を受け、14年前のロンドンで記録した世界記録には及ばなかったが、女子のみのレースでの「世界最高」。5年前に記録した2時間18分37秒の自己最高も塗り替えた。
沿道の大歓声に背中を押されたという35歳は「2人で良い走りができた」と、途中まで伴走してくれたペースメーカーにも感謝の言葉を贈った。(ロンドン=稲垣康介)