文化庁は28日、3回目の選定となる「日本遺産」に、「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」や「忍びの里 伊賀・甲賀」、「日が沈む聖地出雲」、「関門“ノスタルジック”海峡」など23道府県(59市町村)の17件を新たに認定し、発表した。今回を含めると認定数は計54件。文化庁は東京五輪・パラリンピックのある2020年度までに100件程度まで増やす方針だ。
日本遺産は有形・無形の文化財を活用して物語性をアピールし、地域の活性化を図る狙いで、15年度に開始。調査研究や解説板の設置のため、1件あたり平均約4千万円弱の補助金が出るという。
43都道府県(288市町村)から計79件の申請があり、放送作家の小山薫堂さんや漫画家の里中満智子さんら8人の有識者による審査委員会が選んだ。今回初めて認定された所在地は北海道、青森、秋田、埼玉、愛知、大阪、山口の7道府県。北前船の寄港地(7道県)、常滑や備前、丹波など日本古来の陶磁器窯「六古窯(ろっこよう)」(5県)といった、広域自治体にまたがるものも選ばれた。一方、岩手、東京、山梨、静岡、宮崎、鹿児島、沖縄の7都県は未認定という。(後藤洋平)