ギョーザが入った特製焼きサンドイッチセット。宇都宮の新たな名物になるか=宇都宮市本町
焼きサンドイッチの中に、丸ごとのギョーザ。「ギョーザのまち」で知られる宇都宮で、市内にある老舗喫茶が特製焼きサンドイッチを完成させた。宇都宮の新たな名物メニューに育て、「純喫茶に足を運んでもらいたい」と願う。
特集:パン好きのあなたへ
注文して10分ほどたつと、純喫茶の雰囲気ただよう店内に、ギョーザと焼いたパンの香ばしい匂いが漂ってくる。特製の焼きサンドイッチの登場だ。断面には、確かにギョーザ。食べてみると、ギョーザの味とパンが意外となじんでいた。
考案したのは宇都宮市の中心市街地にある「珈琲専門店BC 栃木県庁前本店」代表の永島治さん(67)。「ボリュームもあって腹持ちも良い。本当にギョーザが入っている、とみなさん驚かれます」と笑みを浮かべる。
メニューとして出したのは2年前のこと。「宇都宮と言えばギョーザ。喫茶店ならではの新メニューを作りたい」と作り始めた。だが最初は焼きギョーザをサンドイッチの具にしただけで、永島さんいわく「パンとギョーザがバラバラの味」。
その後も、レタスやキャベツを挟んだら水っぽくなったり、味付けが淡泊になり過ぎたり。失敗の連続だったが、お客さんに試食してもらうなど試行錯誤を繰り返して、昨年秋ごろに今の味に落ち着いた。
現在の焼きサンドは水ギョーザを使っているのが特徴。ゆで上げた水ギョーザをサンドイッチ用のパンで挟み、ギョーザを使った調味料で味付け。トースターで焼き、さらにしょうゆや酢、ラー油の特製たれで仕上げて完成する。「余計なものを入れず、ギョーザをメインにしたのがポイント」という。
ギョーザをパンで挟んであり、かなりのボリュームがあるメニュー。だが永島さんは「宇都宮の人は水ギョーザとご飯をセットで食べる。ギョーザは野菜たっぷりで、(同じ炭水化物の)パンとしっくり合う」と話す。
ギョーザ入り焼きサンドイッチセットはコーヒー(ブレンドか日替わり)とサラダのセットで、1350円(ランチタイムは1250円)。店にはピザトーストなど喫茶店の昔ながらの定番も豊富だが、永島さんは「この珍しいメニューで、昔ながらの喫茶店に足を運んでもらえれば」と話している。(岡見理沙)