インドネシア警察は、同国第2の都市スラバヤで同性愛者同士のパーティーを開いたとして、20~44歳の14人の男をポルノ取締法違反の疑いなどで4月30日に現行犯逮捕したと明らかにした。同国の法律は同性愛行為そのものを禁止していないが、近年、差別の動きや取り締まりを求める声が強まっている。
複数の地元報道によると、男らはスラバヤのホテルの2室で性交をしたり、同性愛ポルノを鑑賞したりした疑い。14人中6人は関与の度合いが薄いとして釈放されたが、残り8人は最長15年の禁錮刑の可能性があるという。警察は「スラバヤで同性愛者のパーティーを取り締まったのは初めて」と説明。記者会見に容疑者らを立ち会わせた。
男らは事前に携帯電話で各地から参加者を集め、4月29日から5月2日の日程で開催。参加費は日によって異なり、1日あたり7万5千ルピア(約630円)~25万ルピア(約2100円)。元々は別の町で開くはずが通報されてキャンセルとなり、スラバヤで開かれたという。
同国では、スマトラ島北部のアチェ州でのみ、イスラム法に基づく州条例で同性愛行為が禁止されている。同州では3月下旬に男性2人が性交をしたとして逮捕され、近く裁判が始まる。有罪となれば、むち打ち100回の公開刑が下される可能性がある。(ジャカルタ=古谷祐伸)