オリックスの金子千尋
(2日、オリックス4―1楽天)
最新の試合結果はこちら
理想は打者を1球ずつで打ち取る「27球完投」。夢のような話だが、今季のオリックス・金子はそれに近いイメージで投げているのではないか。
四回の投球が象徴していた。先頭のペゲーロに5球目を右前に運ばれたが、続くウィーラー、アマダーをともに1球で打ち取る。銀次に2球目を左前安打されたが、今江をまた1球で遊飛に退けた。2安打を浴びても、球数は10球だった。
完投を狙った九回、連続四球を与えて118球で降板。試合後の第一声は「投げきりたかったのが正直なところ」だった。一方で、「どんな形でも勝つのが大事。ここからのほうが長い。ここで終わるつもりはない」と力強く言った。
4月14日のソフトバンク戦では92球で完封。その際は「ボール球を投げるつもりはなかった。全部ストライクのつもりで投げた」と言い切った。球種が多く、ストライク先行で投げられるから、打者は早めに打たされてしまう。
抑えの平野の助けは受けたが、中継ぎ陣は休ませた。しかも、これが3登板連続の中5日だ。周囲の負担を軽くして、無傷の5連勝。まさにエースの仕事だった。(伊藤雅哉)
○福良監督(オ) 首位に1ゲーム差。「金子は今日もよく投げてくれた。武田の九回の適時打も大きかった」
○T―岡田(オ) 二回、両リーグ単独トップの8号先制ソロ。「金子さんが投げる試合。絶対落とせない試合だった」