シリア内戦をめぐり、アサド政権を支援するロシアのプーチン大統領と反体制派を支援するトルコのエルドアン大統領が3日、ロシア・ソチで会談した。シリア国内に住民の安全を確保し、難民が帰還できる「安全地帯」の設置を目指すことで合意した。ただし、設置条件や運用方法は明確にしておらず、実現性は不透明だ。
シリアでは昨年末、ロシアとトルコなどの仲介による停戦合意が実現。だが、反体制派は「停戦合意後も政権軍側による爆撃が続いている」として強く反発してきた。
会談後の記者会見で、プーチン氏は「停戦を強化するための一つの手段が安全地帯の設定だ」と話し、「安全地帯」を飛行禁止にする考えも示した。また、この案についてトランプ米大統領とも電話協議したことを明らかにした。
3日からカザフスタンの首都アスタナで始まったシリア和平協議では、ロシア代表団は、反体制派が支配する北西部イドリブ県や中部ホムス県、首都ダマスカス近郊など計4カ所に「安全地帯」を設ける案を提示した。シリア国営通信は3日、シリアもロシア案を支持すると報じた。和平協議で反体制派がどのような反応を示すかが注目されている。(イスタンブール=其山史晃、モスクワ=駒木明義)