ティラーソン米国務長官は3日、核・ミサイルで挑発を繰り返す北朝鮮に対し、「追加制裁を科す用意がある」と語った。一方で、北朝鮮と韓国を隔てる軍事境界線の「北側に入る口実を探しているわけではない」とも語り、金正恩(キムジョンウン)政権と対話する意思があることを強調した。
国務省で職員向けにした演説で明らかにした。ティラーソン氏は、北朝鮮の経済的な後ろ盾となっている中国が核・ミサイル開発の阻止に取り組むかどうか「見極めているところだ」と語った。それが不十分ならば「米国は追加制裁の用意がある」と明言。北朝鮮と取引がある中国の企業を念頭に単独で制裁を科す構えを示しつつ、北朝鮮の核・ミサイル開発阻止に向けて国連安全保障理事会の制裁の完全な履行を迫った。
ただ、ティラーソン氏は「適切な条件下であれば、対話に応じる準備がある」と述べた。北朝鮮の体制転換は求めないと強調。北朝鮮が「非核化を求めることこそが、将来の安全と繁栄を得ることができる」と語り、北朝鮮に非核化の交渉に応じるよう求めた。
一方、米空軍は3日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、「ミニットマン3」の発射試験を実施したと発表した。米メディアによると、カリフォルニア州の基地から打ち上げられ、太平洋に落下した。先月26日にもICBMの試射をしており、北朝鮮に圧力をかける狙いがあるようだ。(ワシントン=峯村健司)