千葉県我孫子市の草むらで3月末、ベトナム国籍で同県松戸市に住む市立小学校3年の女児(当時9)の遺体が見つかった事件で、県警捜査本部は5日、同小の保護者会長だった渋谷恭正(やすまさ)容疑者(46)=死体遺棄容疑で逮捕=を殺人、わいせつ目的誘拐、強制わいせつ致死の疑いで再逮捕し、発表した。渋谷容疑者は「供述を拒否します」と話しているという。
元保護者会長を再逮捕へ 殺人・わいせつ目的誘拐容疑
発表によると、渋谷容疑者の逮捕容疑は3月24日、自宅周辺で、所有する軽乗用車に女児を乗せ、わいせつ目的で誘拐。軽乗用車の中などでわいせつな行為に及び、女児の首をしめつけるなどして窒息により殺害したというもの。
女児は3月24日午前8時過ぎ、小学校に向かうため自宅を出た直後に行方不明になり、同26日午前6時45分ごろ、約12キロ離れた我孫子市北新田の橋の下の草むらで遺体で見つかった。衣類は身につけていなかった。ランドセルや衣類などは同28日までに、さらに約18キロ離れた茨城県坂東市の利根川河川敷で発見されていた。
捜査関係者によると、女児の遺体に付着していた遺留物のDNA型が渋谷容疑者のものに酷似していたという。また、渋谷容疑者の軽乗用車が3月24日朝、女児の通学路周辺を走っていたことや、同日午後以降に通学路と遺体の発見場所、利根川河川敷の3地点を結ぶ道路を走行していたこともわかった。さらに、軽乗用車の荷台から採取した遺留物のDNA型が女児のものと一致したという。
通学路周辺で女児の悲鳴を聞くなどした住民はおらず、2人は互いに面識があったとの情報があることなどから、捜査本部は、渋谷容疑者がわいせつ目的で声をかけ、軽乗用車に乗せて誘拐し、殺害した疑いがあるとみて調べていた。
渋谷容疑者は先月14日、死体遺棄容疑で逮捕されていた。