集落近くに迫る山火事=9日午前10時35分、岩手県釜石市、朝日新聞社機から、堀英治撮影
東北地方で8日に相次いだ山火事は、岩手県釜石市で9日朝も延焼が続いている。住宅の近くまで炎が迫り、住民が避難を強いられている。
岩手・釜石で山林火災 136世帯348人に避難指示
釜石市平田(へいた)の山林では8日正午に火災が発生。県によると、9日午前9時半現在で約400ヘクタールが焼け、午前11時現在も延焼している。県は8日に自衛隊に災害派遣を要請し、近隣県の防災ヘリとともに消火活動を続けているが、強風にあおられた炎は住宅まで300~400メートルの地点にまで燃え広がっている。市が8日午後に市内2地区の136世帯348人に出した避難指示は解除されていない。
一方、宮城県栗原市築館で起きた山火事は、約8時間後の8日午後8時10分ごろに鎮火。市消防本部によると、近くの住宅など計11棟が焼けた。市は9日午前7時、周辺の117世帯392人に出していた避難指示を解除した。県警は焼け跡でたき火のような痕跡を見つけた。火元の可能性もあるとみて調べる。
福島県会津坂下町の山火事は、9日午前5時から自衛隊や県などのヘリ5機が消火活動を再開し、午前9時10分ごろに鎮火した。町によると、火元とみられる住宅など5棟が全焼したほか、山林約10ヘクタールが焼けた。けが人はいない。
気象庁によると、東北地方は8日、太平洋側を中心に広い範囲で乾燥。強い風に見舞われて山火事が相次いだ。