(9日、ソフトバンク2―1オリックス)
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13個目の「K」印がスコアボードに並ぶ。八回表、2死一塁。ソフトバンクの千賀は、133キロのフォークで伊藤のバットに空を切らせると、思い切りグラブをたたき右拳を突き上げた。自己最多に並ぶ13奪三振。「ようやく納得できる投球ができた」
今季無敗の金子との投げ合い。「実績も名前もすごい。負けないように食らいついた」。最速153キロの速球と、落差の大きさから「お化け」と評されるフォークで押した。三回にソロ本塁打を浴びたが、八回でマウンドを降りるまで4者連続を含め相手の先発野手全員から三振を奪った。
過去に松坂や岩隈ら6人しか達成していない「全員奪三振(出場した野手全員から奪三振)」も目前だった。8回1失点、97球の熱投。完投もあり得た球数だったが、「130球くらい投げた疲労感。それくらい緊張していた。僕が監督でもデニス(サファテ)を選ぶと思います」
昨季は自己最多の12勝を挙げながら、ヤフオクドームは苦手にしていた。被本塁打16本中、14本を献上。3敗はすべて本拠で付いた。久しぶりのお立ち台にも、「またホームランかとお客さんも思ったと思う」と反省を忘れなかった。
これで自身5連勝でリーグトップタイの5勝目。チームの貯金も今季最多の7に伸ばし、「とにかくチームが勝てるようにやりたい」。24歳の大黒柱が和田らを欠く先発陣を支えている。(甲斐弘史)
○工藤監督(ソ) 「(先発の千賀は)立ち上がりをよく投げてくれたのでスムーズにみんなも入れたと思う。いくつ三振を取るんだろうと思っていました。金子君に対して点をあげられないと。いい投手なので、そこは考えながら投げていたので非常に良かった。(完投は)八回にボールがちょっと弱くなってきたので、九回は1番からでしたし、サファテに行ってもらうと決めていました」
○松田(ソ) 五回に決勝の本塁打。「投手戦になるのは分かっていたので食らいついた。千賀は見ていて頼もしかった」