力投する阪神先発の秋山=時事
(9日、阪神4―2巨人)
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プロ8年目でつかんだ先発ローテーション。阪神の秋山は、好投した後でも「続けることが大事」と繰り返す。自信にする、というより、立場を確立するために毎回必死。そんな26歳が、3試合連続完封中だった巨人の菅野に投げ勝ち、今季2勝目をつかんだ。
最大のピンチは、3点リードの四回だった。1死二、三塁から、長野を空振り三振。満塁策とした後、小林には5球目、低めへの135キロで遊ゴロに仕留め、右拳を握った。
愛媛・西条高時代、身長が190センチ近く、恵まれた体格から「伊予ゴジラ」と呼ばれた。プロ1年目に4勝を挙げたが、伸び悩んだ。7年間で6勝。優しい性格が災いし、投球フォームを考え込み、持ち前の力強さは影を潜めた。
今季は春季キャンプからアピールに成功した。飛躍の要因をこう自己分析する。「真っすぐの成長が大きい」「ストライクをそろえすぎる癖が、改善されつつある」。四回を振り返ってみる。
追い込んでから長野のバットに空を切らせたのは、143キロの速球だった。小林に対しては「2ボール2ストライクまでいけた。投げミスもしなかった」。
日本を代表する右腕との対決に「めちゃくちゃ緊張した」という。勝負するのは相手打者なのに「球界一の投手、という事実がある」。その投げ合いを制したのだから、今度こそ自信は深まったはずだ。(井上翔太)
○金本監督(神) 「秋山は、気持ちが前面に出ていた。野手も『秋山を勝たせよう』と期待に応えてくれた」
○福留(神) 三回1死一塁から右越え2ラン。「引っ張れる球を待って、結果的にホームランになってよかった」