2020年東京五輪・パラリンピックについて、東京都が、都外会場の仮設施設整備にかかる費用を大幅に負担する方針を固めた。大会組織委員会や会場を抱える都外自治体が負担できない分を都が引き受ける内容で、小池百合子都知事が11日午前、安倍晋三首相に面会して伝える見通し。
約500億円と試算される都外の仮設整備費をどう分担して負担するかは、関係自治体の反発などから宙に浮いた状態が続いており、調整を前進させる狙いがある。
東京大会の会場は、都内のほか、北海道、宮城、福島、千葉、埼玉、神奈川、静岡の7道県にある。
分担方法については、都が主導して今年1月から検討が続いている。小池知事は当初、3月末までに決める考えだったがまとまらず、今月9日、「今月中に答えを出したい」と表明した。だが神奈川、埼玉、千葉の3県知事は準備が間に合わないなどとして反発し、同日、首相に調整を要請。首相は丸川珠代五輪担当相に早期の調整を指示していた。
大会後に撤去される仮設施設は、既存の施設に追加する観客席や運営用のプレハブなどで、その整備費は当初、大会組織委員会が負担する計画だった。ところが経費増大を受け、組織委は昨年末、都と国、都外の自治体が負担する案を提示。これに都外の自治体が強く反発し、調整がつかない状態が続いている。(伊藤あずさ、野村周平)