高知県大川村の朝倉慧議長(右)が川上文人・議運委員長に諮問書を手渡した=15日、高知県大川村役場、堀内要明撮影
議会に代わって有権者全員で構成する「町村総会」の設置が検討課題に浮上している高知県大川村議会(定数6)で、朝倉慧(あきら)・村議会議長が15日、町村総会設置の検討が必要かなどを問う諮問書を川上文人・議会運営委員長に提出した。答申期限は12月20日。
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地方自治法94条では、町村は議会を置かず有権者全員による議事機関の総会を設けられると定める。総務省によると、1950年代に東京都の旧宇津木村(現八丈町)で町村総会の設置例があるが、現在はないという。大川村は四国山地のほぼ中央に位置し、人口は約400人で、高齢化率は4割を超える。議員のなり手不足が課題で、2015年の村議選では現職6人が無投票当選した。
諮問書では、議会の維持について「不安を隠しきれない」と指摘。今後も困難を乗り越え、議会組織を構成できるか▽総会の設置条例の検討は必要か▽総会設置に村民の理解を得る手段▽どのように村長と協議するか、などを投げかけた。
朝倉議長は提出後、報道陣の取材に「住民の議論が高まらなければ、村を守ることはかなわない。課題を住民に投げかけるのは当たり前だ」と話した。川上議運委員長は「議会の継続が一番望ましい」としたうえで、「村民総会も検討していかないかん。なるべく早く委員会を開きたい」と述べた。
和田知士(かずひと)村長も6月議会で、村としても総会設置を検討すると表明する予定。(堀内要明、上田真由美)