ボートをこぐ山下智哉さん=高知市
3日から滋賀県立琵琶湖漕艇場で開かれる西日本最大級のボート大会「第71回朝日レガッタ」(関西ボート連盟、朝日新聞社、滋賀県、大津市主催)に、高知大ボート部の選手が四半世紀ぶりに登場する。同大ボート部は昨年冬、18年ぶりに活動を再開。復活後、初めて挑む全国大会だ。
部員勧誘法伝授、カンパ…OBの支援で古豪ボート部復活
高知市の国分川。同大理工学部2年の山下智哉さん(19)が白いボートを川面に滑らせていた。5月3日に出場する一般男子シングルスカルの部に向け、最終調整を続けている。
4月末に新入生2人が入部し、部員はようやく3人になった。それまで1人で筋トレに励み、週4日は川で黙々とオールをこいできた。山下さんは「抜いた抜かれたの刺激がなかった」と、ちょっと不安げだ。
高知大ボート部は1957年創部。90年代前半には全日本大学選手権など全国大会で上位に入る活躍をした。だが部員不足から99年に廃部に。朝日レガッタも90年代半ばを最後に出場が途絶えた。
山下さんは香川県の高校時代、ボート部に所属。大学入学後は当時先輩が1人で活動していたボートサークルに加わった。その後、部OBらから練習用のボートを寄贈されるなどの支援を受けて、昨年12月、2人で部として復活させた。
復活の際に朝日レガッタ出場を勧めたのはOBだ。「朝日レガッタは輝かしい歴史ある大会。大会に『高知大学』の名が連なるのはうれしい」。OBの中村克彦さん(49)=京都市=は、会場となる琵琶湖を高知大のボートが疾走する姿に思いをはせる。大会に向けて何度も高知県を訪れ、山下さんに練習や心構えをアドバイスした。
練習用のボートを運ぶのが難しいため、大会には関西のOBが用意したボートで挑む。山下さんは「今までの練習の成果を、支援してくれたOBの人たちに見てもらいたい」と意気込んでいる。(森岡みづほ)