戦後沖縄の主な出来事
沖縄が日本に復帰して、15日で45年。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐる政治的対立が激しさを増す中、人々に「分断」が広がる。様々な情報が流れ込み、翻弄(ほんろう)され、本土からの視線に揺さぶられている。(安田桂子、山下龍一、上遠野郷)
特集:沖縄はいま
特集:辺野古移設
■「辺野古」賛否で対立
那覇市の県庁前の歩道に突然、日の丸を掲げた沖縄ナンバーの車が乗り上げた。12日朝。目の前の広場では、復帰の日を前に、県内外の労働組合員らが平和を訴えて歩く恒例の「5・15平和行進」の出発式が開かれていた。「暴力集団は帰れ」。そう叫んで降りてきた若い男性は、警官に連れて行かれた。
騒然とした雰囲気に戸惑う行進参加者。その横を、地元のサラリーマンたちは気にも留めず通り過ぎていく。「沖縄はいつもこんなに騒がしいんですか」。東京から参加した男性(52)は目を丸くした。
「オール沖縄」を掲げる翁長(おなが)雄志(たけし)知事の誕生から約2年半。「辺野古」の賛否をめぐる対立は、沖縄の人たちもきしませている。
那覇市の主婦(50)は昨年末、3年ほど続けていたツイッターのアカウントを閉じた。辺野古をめぐる裁判で県が敗訴した最高裁判決への疑問を書いたところ、「日本から出て行け」など100件以上の批判を浴びた。その何人かは「沖縄出身」を名乗り「お前こそナイチャー(本土の人)か在日だ」と決めつけられたという。