北朝鮮による新たな弾道ミサイル発射を受け、日本と米国、韓国の3カ国は14日、国連安全保障理事会に緊急会合の開催を要請した。関係者によると、16日午後(日本時間17日午前)に米ニューヨークの国連本部で非公開の会合が開かれる見通し。
北朝鮮、対米交渉意識? 「公開発射」で軍事衝突避ける
北朝鮮ミサイル、高度2千キロ超 技術向上、脅威高まる
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今回のミサイルは高度2千キロ超に達し、北朝鮮は、たび重なる安保理の警告を無視し、発射能力の向上を誇示した。安保理は、発射が、弾道ミサイル技術の使用を禁じた安保理決議に反するとの立場から、発射を強く非難する報道声明などの交渉に入る。
米国のヘイリー国連大使は14日、「北朝鮮の行動を正当化する弁明はない」「脅威は本物だ」とツイッターで発信。「中国は(北朝鮮との)対話を期待できない」とも述べ、北朝鮮への圧力強化に慎重な中国を牽制(けんせい)した。
ヘイリー氏は同日のテレビ番組にも出演。金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長について「周囲が全て気になって仕方ないパラノイア(偏執・妄想)状態にある」と批判し、弾道ミサイル発射は大統領選直後の韓国への牽制との見方を示した。
その上で、米国は「制裁や声明などで手綱をしめ続ける」と圧力を強化する姿勢を強調。具体的な制裁領域として「石油、エネルギー、海運」を挙げ、新たに石油禁輸などが検討対象になっていることを明らかにした。(ニューヨーク=金成隆一)