国連安全保障理事会は15日(日本時間16日午前)、北朝鮮による4月29日と今月14日のミサイル発射を強く非難する報道声明を発表した。北朝鮮に新たな核実験やミサイル発射をしないよう求め、核・ミサイル開発を続ければ「制裁を含む、更なる重大な措置をとる」と警告した。
北朝鮮ミサイル、新型エンジン搭載か ハワイなど射程圏
声明は、ミサイル発射が弾道ミサイル技術の使用を禁じた一連の安保理決議への違反に当たると指摘し、「最大限の懸念」を表明。北朝鮮の「違法な」ミサイル関連の活動が、北朝鮮の核兵器の運搬システムの開発につながり、地域の緊張を高めていると指摘したほか、庶民の日用品が不足する中、資源をミサイル開発に投じる姿勢に「遺憾の意」も改めて示した。
また中国を含めた安保理メンバーは「安保理で北朝鮮に科している全ての制裁措置を完全履行することを誓う」と声明で宣言。その上で、他の国連加盟国に同様に履行するよう強く求めている。安保理は昨年の決議で対北朝鮮制裁を大幅に強化したが、北朝鮮の最大の貿易相手国である中国を含め、きちんと履行できていない国の存在が問題になってきた。
16日午後(同17日午前)には日米韓3カ国が開催を呼び掛けた、北朝鮮問題を巡る緊急会合がある。通常この会合で声明の文案を調整することが多いが、今回は開催前に中国も含めて合意に達し、発表に至った。
報道声明に法的拘束力はないが、作成には全理事国15カ国の同意が必要で、安保理の統一した意思を即座に示す効果がある。(ニューヨーク=金成隆一)