文在寅大統領が参加し、「光州事件」の追悼行事が開かれた国立5・18民主墓地=18日午前10時0分、韓国・光州市、武田肇撮影
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は18日、南西部の主要都市光州(クァンジュ)市で、民主化を求めた市民を軍が武力弾圧した「光州事件」の犠牲者を追悼する記念式典に就任後初めて出席した。「国民統合」を掲げる文氏は、朴槿恵(パククネ)前政権など保守政権が封印してきた民主化運動の象徴歌「あなたのための行進曲」の斉唱を、約9年ぶりに復活させ、自身も歌った。保守派からは反発の声も上がっている。
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1980年5月に起きた光州事件では、戒厳令下のデモに立ち上がった市民に軍が発砲し、死者・行方不明者が300人以上。「あなたのための行進曲」は犠牲者を追悼するために作られた民衆歌謡で、政府による式典が開かれるようになった97年から会場で出席者全員で歌われてきた。
しかし、保守系の李明博(イミョンバク)政権は、就任翌年の09年、「歌詞には北朝鮮への親しみの意味がある」といった一部批判をくんで斉唱歌から外した。労働運動や政府批判の集会でよく歌われることへの反発もあったとされる。朴前政権も踏襲し、毎年5月になると斉唱をめぐる論争が起きていた。
文氏の決定について遺族団体は…