18日の東京金融市場は、ロシアとの関係をめぐる米トランプ政権の疑惑が不安材料になり、株安と円高が進んでいる。日経平均株価は、前日のニューヨーク株式市場でダウ工業株平均が急落した流れを受けてほぼ全面安の展開になり、値下がり幅が一時360円を超えた。円相場も一時1ドル=110円台と、約3週間ぶりの円高水準になった。
日経平均は午後1時時点で、前日終値より314円41銭安い1万9500円47銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は24・13ポイント低い1551・69。午前の終値は日経平均が前日終値より285円18銭(1・44%)安い1万9529円70銭。TOPIXが21・48ポイント(1・36%)低い1554・34。出来高は11億5千万株。
17日のダウ平均は、昨年11月にトランプ氏が米大統領選に勝利して以来、最大の下げ幅を記録。終値は前日より372・82ドル(1・78%)安い2万0606・93ドルだった。上げ相場を引っ張ってきた金融株が大きく売られた。
東京外国為替市場では、米政権の先行き不安からドルを売って、円を買う動きが強まった。午後1時時点の円相場は対ドルで、前日午後5時より1円47銭円高ドル安の1ドル=110円97~98銭。対ユーロは同82銭円高ユーロ安の1ユーロ=123円86~90銭。
トランプ氏にはロシアに機密情報を提供した疑いに加え、米連邦捜査局(FBI)のロシア関連の捜査を妨害しようとした疑惑も浮上。市場では「政治的な混乱が長引けば、大型減税や巨額インフラ投資といった政権の目玉政策の実行がさらに遅れる」(大手証券)と懸念する声が広がっている。(大隈悠、福山亜希、ワシントン=江渕崇)