高安(右)ははたき込みで日馬富士を破る=遠藤啓生撮影
(26日、大相撲夏場所13日目)
相撲特集:どすこいタイムズ
高安コールに包まれた土俵の上で、本人はいたって冷静だった。「さらに気を引き締めて、落ち着いた状態で臨めた」。前日に大関昇進の目安をクリアしたのが大きかったのだろう。大一番の気負いはなかった。
立ち合い。得意のかちあげではなく、右上手を取った。スピード自慢の日馬富士を止めるためにも「まわしがほしかった」。横綱の下手投げで体が離れたが、「冷静だった。だから残せた」。反転し、両足を俵にかけて、突き返す。反動を生かしてはたき込むと、横綱の右手が土俵についた。
座布団が舞う館内。その中心で悠然と勝ち名乗りを受けて支度部屋に戻ると、「コツコツ頑張ってきて、やっと報われた1勝だと思う。でもまだ終わっていない。残り2番しっかり取りたい」と高安。表情を変えず、淡々と語った上で、「(横綱に)勝つことが当たり前だという姿を作っていきたい」。次の地位に期待される役割を早くも自覚しているかのように、先を見据えた言葉を続けた。
先場所勝てなかった横綱を倒し…