首相官邸を出る福井照・元文部科学副大臣(左)=27日午後5時7分、岩下毅撮影
安倍晋三首相は27日、検査入院している江崎鉄磨・沖縄北方担当相(74)の辞任を認め、後任に福井照・元文部科学副大臣(64)の起用を決めた。江崎氏の体調不良に伴う閣僚の交代。安倍内閣の閣僚の辞任は、稲田朋美元防衛相が南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題で昨年7月に引責辞任して以来。
江崎沖北相が辞任 健康上の理由 後任に福井照氏起用へ
福井氏の認証式は同日夕に行われた。安倍首相は福井氏起用の理由について、自民党政調副会長や衆院沖縄・北方特別委員長を歴任したとして、「政策通であり、沖縄・北方対策を強力に進めていく上において、適任と判断した」と記者団に説明した。
福井氏は初入閣で当選7回。旧建設省出身で衆院比例四国ブロック選出。安倍首相はこの日午前、自民党の二階俊博幹事長と会談して新たな人事方針を説明。江崎・福井両氏ともに二階派に所属しており、同じ派閥内で後任を決めた。
ただ、福井氏は環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐり、衆院TPP特別委理事だった2016年に「強行採決という形で(承認が)実現するよう頑張る」と発言して理事を辞任。党内には不安視する声もある。
一方、江崎氏は19日夜、軽い脳梗塞(こうそく)の疑いで検査入院し、「一過性脳虚血性発作」の診断を受けていた。24日に退院したが、26日に再入院。「国会に支障があってはならないと考え、職を辞すとの決断をした」とのコメントを27日に発表した。江崎氏が任命した元沖縄北方相の島尻安伊子・大臣補佐官も辞任したが、福井氏は同日の記者会見で、「大臣補佐官を引き続きお願いしたい」と述べた。